W. チャーチルの言葉
 1921年  「世界の危機」より



 1921年は第一次世界大戦が終わってから3年後です。チャーチルはその戦争の前半には海軍大臣を担っていましたが、以下の言葉は人類にとっての戦争の姿の変容と、その結果としての悲観的予測がこめられています。私は強く共感します。
 1921年には、機関銃や戦車はありましたが、ミサイルや原爆はまだありません。
 現代社会を考えるとき、我々はこのチャーチルの言葉を片時も忘れてはいけないと思います。
 (私はチャーチルの本はあまり読んではいませんが、この言葉をNHK「映像の世紀:大量殺戮の完成」でラストの場面で紹介されたことで知りました。昨秋にM君が映像の世紀などのDVDをいっぱい持ってきてくれたものの一つです。)


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 戦争からきらめきと魔術的な美がついに奪い取られてしまった。アレクサンダーやシーザーやナポレオンが兵士たちと危険を分かち合いながら、馬で戦場を駆けめぐり、帝国の運命を決する、そんなことはもうなくなった。
 これからの英雄は、安全で静かでもの憂い事務室にいて書記官たちに取り囲まれて座る。 
 一方、何千という兵士たちが電話一本で機械の力によって殺され息の根を止められる。
 
 これから先に起こる戦争は、女性や子供や一般市民全体を殺すことになるだろう。やがてそれぞれの国々は大規模で限界のない、一度発動されたら制御不可能になるような破壊のシステムを生み出すことになる。
 人類は初めて自分たちを絶滅させることができる道具を手に入れた。
 
 これこそが人類の栄光と苦労のすべてが最後に到達した運命である。

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