La La Land 讃歌
売れないジャズピアニスト・セブと女優を夢見るミアの出会いと別れを描くミュージカル。
この映画は、2016年に出て、アカデミー賞をいくつかの部門でもらいました。監督賞(デイミアン・チャゼル)、主演女優賞(エマ・ストーン)、歌曲賞(city of stars)などです。当初話題になった頃、、残念ながら私は見ていません。というのも、有名な場面のポスター、ネクタイをした男と黄色いドレスを着た女が、遠くに夜景が見える高台で楽しそうに踊っている画面が、何か映画館に行く意欲をそいだのです。幸せすぎる二人を思わせて------。しかし実は、その場面は、知り合って間もない二人が、互いに「タイプでない」相手を揶揄しながら、でも何か楽しく踊っている場面なんですね。Waste of lovely night. みじめな素敵な夜、みたいな意味でしょうか。
映画は、ハリウッドの界隈の数々や(La La Landとはロサンゼルスのこと)、グリフィス天文台での二人の舞踏など画面と音楽がすばらしくて飽きさせない。夢への手段についての考え方の違いから、けんかとなり、ついには離れ離れになって数年後、大女優になったミアはおそらくはパリで一緒になった夫を連れて、ロサンゼルスの街角で偶然にも、セブが所有しピアノを弾くジャズバーに入る。弾いている曲は、それこそ昔、ミアがレストランで歓談中の目の前の男友達を捨てて、セブのもとに走った時、その行動を決心させた夜の切ないメロディーだった。ピアノを弾くセブ、そして夫を横にして座ったミアは互いの存在を知るが、何も起こらない。いや、映画はそこからパラレルワールドをえがく。(パラレルワールド・平行世界とは、この世の現実ではないが、もしかして別の現実として存在するかもしれない世界、量子力学の理論では、ありうる世界と私は理解していますが、そこでは二人は夫婦になっていて、2歳ほどの子供がいる平和な家庭がある。ミアのおなかは大きくてまもなく二人目の子が生まれそうだ--------。
ラスト。10メートルほど離れた二人が目を合わせ、どちらからともなくほほ笑み合い、うなずきあう名場面で終わる。哀しく切ない気持ちは二人の心の中にあふれているが、表情はオーケー、すべてオーケー、それが世の定め、というような余韻の残るラストシーンである。
------------------------------------